写真酵母

Brompton × Miniature Schnauzer × Photography

雪の美瑛「青い川」を綺麗に撮ろうと思ったら想定しておきたいこと5点

Lumix S1 / Elmar3.5cm F3.5

青い池と並んで世界中からこの場所を目指してくる人が多い撮影スポット「美瑛の青い川」(白髭の滝)で、冬季(雪のある時期)に写真を綺麗に撮る際に気にかけておきたいこと5点を述べてみます。

車の運転

まず・・・良い写真を撮る前に(撮った後も)一番大切なのは道中の安全です。12月〜3月にかけての冬の美瑛は本当に美しくて綺麗ですが、その一方で、道中はアイスバーンとなることが多く(特に朝夕は)神経をすり減らすような安全運転が必要です。ただ現地に行って写真が撮れればそれでいいというわけにはいかないので、自分の身の丈に合った交通手段を選択して、安全対策を怠らずに準備していきましょう。

レンタカーや自家用車で行く際には、当たり前ですが、スタッドレスタイヤが装着されていることが必須条件です。オールシーズンタイヤは正直お勧めできません。それくらい北海道のアイスバーンは危険です。スタッドレスタイヤもただ装着されていれば良いだけでなくて、タイヤの溝があり、確認できるのであればタイヤの側面にある何年モデルのスタッドレスタイヤなのか確認しましょう。北海道の実生活レベルではスタッドレスタイヤは製造年より3年以内が推奨されていますので、その範囲内で溝がしっかりあるタイヤを履いている車を選択すると良いかと思います。

自分で車の運転が少し心細く不安な場合は、JRで美瑛駅まで行きタクシーやハイヤーで行くのも良いかと思います。美瑛駅の近くにはホテルもありますので、そこに宿泊してハイヤーなどで移動するのも良いでしょう。自分の運転で行かれるのであれば、青い川は美瑛の十勝岳方面で白金温泉にありますので、白金温泉の旅館(複数あります)に宿泊すると、徒歩で行ける範囲も旅館が複数ありますので良いかと思います。

青い池(白鬚の滝)Map 画像出典: © OpenStreetMap contributors

時間帯はいつ行くのが良いか

日中の光がまわっている朝〜夕の時間帯が良いです(夜は肝心な川が見えません)。12月〜2月の北海道の冬の場合、15時45分頃には到着しておかないと日没が迫ってきて光が落ちてきます。なので、現地に14:30頃までに到着しておくと、撮影する時間の余裕もできて落ち着いて景色を楽しめるかと思います。

青い川に限らずですが、風景写真やストリートスナップで良い写真を撮ろうとした場合、早朝・夕方に狙うと良いと言われますが、その通りかと思います。この青い川も早朝などに行くと霧が差し掛かっていたり、幻想的なシーンに出会い感動するかと思います。私も写真を学び始めた頃、この川に早朝から来て幻想的なシーンの中で何枚も写真を撮って勉強しました。しかし、その時間帯に行くとなると、白金温泉に宿泊していればまだ大丈夫ですが、そうではない場合、時間帯的に道中の道路が凍結している確率が高く、慣れない人(特に本州から初めて来られた方)には運転そのものが怖くなり、気が気でなくなり撮影どころではありません・・・

では、1日の中で最も温度が上がる日中ではダメなのか?と言ったら全くそんなことはありません。掲載している写真は14時頃だったかと思いますが、まぁ「絵」になっているのではないかと思います。

北海道の真冬の14時頃って本州の17時頃のような斜光が入り、既に幻想的になることが多いんですよね。ですので、早朝や夕刻の時間帯にこだわらないで、最初に話した運転の安全を最優先にした時間配分で現地を目指して、光があるうちに心に余裕を持って撮影し、じっくり写真を楽しむと満足度は高くなるでしょう。

現地に着いたらぜひ深呼吸して、いきなりカメラを構えずに自分の目で橋の欄干から川を除いてしばらく川の流れと滝の音、そして青い色に視線を投じてみてください。きっと日々の疲れが癒やされることでしょう。カメラを出すのはその後です・・・と言いながら、皆さん橋に着くとすぐに圧巻の景色に興奮してしまい、カメラのファインダーや背面液晶を見ながらシャッターを押してしまうんですけどね(笑)

カメラは何でも良い?

最近のカメラは何でも綺麗に撮れてしまうので、通常のものであれば何でも良いかと思います。もちろんiPhoneでも綺麗に撮れます。ただトップに掲載している写真のように、ほんの少し川の流れを絹のように表現するとより味わい深い写真となるので、できればシャッター速度を低速にできる機能を有するカメラがあれば、より写真の表現を楽しめて良いかと思います。ちなみに私は写真を本格的にやっているので、Panasonic Lumix S1やSony α7R3などのハイクラス系のミラーレス一眼カメラを使用しています。ただそういったハイクラスの機材でなくても、まずはお手持ちのカメラで、まず練習がてらに近所の川でシャッター速度を遅くして、三脚を使わずに川の流れを絹のようにするテクニックを身に付けてから青い川に来ると現地できっと腕試しもできて良いかと思います。ちなみに私が推奨するシャッター速度は「手持ちで2〜3秒」です。三脚は入りません。「えっ三脚を使わないの?」って思われるかもしれませんが、実際にいくと橋の欄干があり、その欄干にカメラを持つ腕を巻き付ける感じ(=自分の体を三脚がわりにする)でバランスを取ると良いです。最近のカメラで手ぶれ補正機能などが付いていれば、手持ちで2〜3秒のシャッター速度程度であればうまく撮影できると思います。(上記掲載写真がまさに手持ちシャッター速度3秒です)手ぶれ補正機能が付いていない場合はシャッター速度は1秒くらいか限界かもしれませんが、それでもきっと絵になると思いますよ。

焦点はどこに合わせばよい?橋の両サイドを見よう!

写真はピントが重要です。青い川にカメラを向けたら、景色全体が綺麗なので、どこに焦点を合わせたら良いか悩むかもしれません。あくまで私の場合ですが、川から少し頭を出している雪の被った岩にフォーカスポイントを合わせて撮影することが多いです。シャッター速度を先ほども述べたように2〜3秒にするためには光の条件にもよりますが、ISO100、絞りはF8〜F13あたりといったところでしょうか。実際の状況に照らし合わせてカメラの設定を合わせてトライしてみてください。

掲載したMapに2つの矢印がありますが、1つは滝側、もう1つは瀧側でない方の両方向を必ず見るようにして景色を堪能してじっくり撮影してください。どちらも景色が良いのでしっかり見ていきましょう。私がいつも見ていると、意外にもみなさん滝側の景色を見て満足してしまい、あまり逆サイドはしっかりと見ないで帰ってしまう方が多いのですが、逆側も本当に綺麗ですので、両サイドをじっくり自分の目で見て、ファインダーを向けて見てください。

Sony  α7s & Zeiss Batis25mm

青い川の1分ほどの動画を貼っておきます。実際の雰囲気が少しでも伝われば嬉しいです。

https://www.youtube.com/watch?v=eloV2FwiDHg

青い池は白い池

美瑛市街から道道966号線をまっすぐ十勝岳方面に向かい青い川を目指す人が多いと思います。すると手前に道の駅「道の駅 ビルケの森」が出てきます。まずはそこでトイレ休憩などひと休みすると良いでしょう。この道の駅に入るところの交差点もアイスバーンになりやすいので、運転は十分に注意してください。

道の駅を出て「青い川」を目指すと、手前に有名な「青い池」が出てきます。青い池は有名になり過ぎてしまいましたので、一度は見てみたいと思い立ち寄りたくなるかと思いますが、真冬の青い池は凍結している池面に雪が覆っており、実際には青ではなく「白い池」になっていますので、イメージした青い池はよほど温暖化等で池面の雪が溶けているとかでない限りは見れないということを認識しておくと良いかと思います。

もし冬季間で青い池を目指すならば、まだ凍らない11月中旬ころや池面が溶け始めた3月下旬に一部が青い池となる絶妙なタイミングがあります。その光景はまさにこの時期しか見れない美しい光景ですので、そのタイミングに合えば、ぜひ立ち寄って景色を楽しんでいただけたら良いかと思います。現在の青い池は有料駐車場が整備されており、駐車場の入り口に「積雪のため、本日の池面は青くありません」などの情報が掲示してあったので、そのような情報を現地の入り口で確認するというのも手だと思います。

一方で、春〜秋にかけての青い池はいろいろな表情を見せてくれるので本当に綺麗です。みなさんも一度機会を作ってぜひ訪れてみられたら良いかと思います。

青い池(春撮影)