写真酵母

Hokkaido Photography × Dear dog

“カンパーニュにクープを入れるコツ”

今回は、今まで一番苦労したカンパーニュのクープ入れについてご紹介したいと思います。クープがしっかり入っていると美味しそうですよね。

カンパーニュ Lumix S1 / Elmar3.5cm

クープを入れる意味

・窯伸びし、パンにボリュームが出る

・パンの形を美しくする

・他の部分が破裂しないようにする

クープが上手く作れるまで試行錯誤を繰り返し、ようやく美味しそうにクープが出来るようになりました。カンパーニュとフランスパンではクープの入れ方が違います。

私はカンパーニュを焼くことが多いので、カンパーニュのクープ入れの方法を、今回作ったレシピと共にご紹介したいと思います。

今回はブラウニッシュという数種類の雑穀が入った粉を使って、身体に良いパンを作りました。

カンパーニュ Lumix S1 / Elmar3.5cm

材料

ポーリッシュ種

 春よ恋(強力粉)70g

 スペルト全粒粉30g

 焼塩1g

 自家製レーズン酵母液30g

 浄水70g(私はブリタでろ過しています)

本捏ね

 ブラウニッシュ40g

 はるゆたか(強力粉)160g

 焼塩4.4g

 きび砂糖3g

 水120g

 自家製リキッド・ルヴァン15g(ライ麦8g+浄水8g合わせたもので代用可)

仕上げ

 ライフレーク大さじ3杯程

カンパーニュ Lumix S1 / Elmar3.5cm

元気な酵母でポーリッシュ種を作る

1日目 約400gのタッパーにポーリッシュ種の材料を全て入れ、粉気がなくなるまで混ぜて蓋をし、28℃位の暖かい所で3~4時間程置きます。ふっくらして気泡が沢山出来ていれば、冷蔵庫で一晩休ませます。ポーリッシュ種を作ると安定して膨らみ、味わい深いパンになります。

一次発酵後冷蔵庫で一晩休ませる

2日目 約1ℓ容量のプラスチック製ボールに本捏ねの焼塩・きび砂糖・浄水を入れてかき混ぜ、その他の本捏ねの材料とポーリッシュ種を入れて、ヘラや平たいスプーン等で粉気がなくなるまで混ぜたら、ボールの端から生地を上に持ち上げて対角線上に生地を乗せます。時計回りに6回生地を持ち上げて対角線上に乗せる作業を行います。ラップ等で蓋をして暖かい所で30分置きます。

再び時計回りに6回、生地を上に持ち上げて対角線上に乗せる作業を行い30分休ませます。この一連の作業を1番最初の作業を入れて計9回行います。

その後、暖かい所で約2~4時間置きます。生地がボールの9割程に膨らんだら、冷蔵庫で一晩休ませます。完全に一次発酵する前に冷蔵庫に入れて、低温で長時間発酵させます。

成形時、生地をしっかりと張らせる

3日目 まずは下準備をします。作業台を出して、約940ml程の長方形のタッパーに綿100%の布を乗せ、上新粉をまぶしておきます。生地を冷蔵庫から出して上面に強力粉を振るい、カードを縦にしてボールの端から半分程度差し込み一周なぞります。逆さまにして作業台に生地を優しく自然に落とします。両手を生地の下に入れて優しく正方形(約25×25cm)に平たく伸ばして、右側3分の1を中央に乗せ、左側3分の1をさらに中央に乗せます。上から生地を上に少し持ち上げる様にしながら下に向かって巻いていきます。左右をしっかりとつまんで閉じ、上下の重なっている部分も生地を張らせるようにしてしっかりと閉じます

綴じ目を下にして表面に霧吹きで軽く濡らして、ライフレークをまぶします。綴じ目を上にしてタッパーに入れ、ビニール袋等に入れて30℃前後の暖かい所で2時間程二次発酵させます。指で軽く押して跡が残りゆっくりと戻ったら二次発酵終了です。

二次発酵終了後、冷凍庫で生地を冷やす

ビニール袋に入れたまま生地が傾かないように冷凍庫に入れます。冷凍庫で生地を冷やす事で、表面が適度に乾燥し、クープを入れやすくなります。

オーブン(東芝ER-LD530使用)の下段にステンレス板を入れ、上段に付属の天板にタルトストーンを入れて、水を入れた給水器をセットし、過熱水蒸気250℃で予熱を開始します。その間に熱湯と銅板、生地を乗せるオーブンシート、クープナイフを用意します。

冷凍庫に入れて20分以上経ち予熱が完了したら、生地を出してオーブンシートを被せ、手のひらで覆い、ひっくり返して銅板に乗せます。直ぐにクープナイフで切り込みを入れます。

クープナイフの入れ方

どう入れるかで、パンの焼き上がりがグンと変わります。

生地の長い方を上にして置きます。クープナイフを上中央から約1.5cm程の深さで軽く少し右側にカーブさせて下中央に向かって切り込みを入れていきます。次に切り込みの中央10㎝程にクープナイフを横に寝かせて薄く裂くように切り込みを入れます。そうすることでフランスパンのように耳が出来ます。

オーブンをしっかりと予熱し、スチームを使用する

最初の5分が、クープが開くか開かないかの重要ポイントです。

クープを入れたらすぐに、火傷に十分に気を付けてステンレス板に銅板を乗せて、タルトストーンに熱湯を50cc程かけて扉を閉めて、過熱水蒸気250℃で5分、オーブン機能220℃で10分、上段の天板を取ってオーブン220℃で更に13分焼成します。良い焼き色がついて、底を指でノックして良い音がしたら、ケーキクーラー等に乗せて3時間程冷まして完成です。

最後にクープを上手く入れるコツ、ポイントをまとめてみました。

1 酵母が元気でちゃんと発酵すること

2 成形の時に生地を張らせてきちっと閉じること

3 二次発酵終了後、生地を冷やしてオーブンはしっかり予熱すること

4 クープを入れる時生地を縦長に置いて、深めにナイフを入れること

5 十分に予熱したオーブンに入れて、最初の5分はスチームで焼くこと

以上がここ数年で私がクープ入れを上達した秘訣です。

もっともっとお店レベルのパンを焼くにはコツが沢山あるはずですが、少しでもクープの入れ方で悩んでいらっしゃる方のお役に立てれば幸いです。

因みに今回ご紹介しましたパンは、ブルーチーズをぬったりチーズトーストがオススメです!

今回使用しましたブラウニッシュ。固形状の物が混ざったりしていて、健康に良いだけでなく食感も楽しめますよ。

以前掲載した自家製酵母パン レシピ  [ロデヴ風高加水カンパーニュ][ホワイトチョコと甘納豆の桜カンパーニュ][フィグノア]なども参考にしてみてください。