写真酵母

Hokkaido Photography × Dear dog

初めての自家製レーズン酵母の作り方・継ぎ方〔唯一無二のパン作り〕

自家製レーズン酵母を作り始めた背景

パン好きの私は学生時代、お昼ごはんは菓子パンばかり。月に数回、贅沢にパン屋さんで買っていました。卒業後はパン屋さん巡りを重ね、ますますパンの魅力にのめり込んで行きました。大手のパン屋から次第に個人店に魅力を感じ、専業主婦になってからはパン作りに興味を持ち始めました。最初はドライイーストで作っていましたが、体力があまりなく、捏ねてたたいてという作業が次第に辛くなっていきました。そこで、かねてより興味があった自家製酵母を作り始めました。

自家製レーズン酵母を作るメリット

ドライイーストでパンを手ごねで作っていらっしゃる方で、作業が苦痛と感じられるならば、自家製酵母を是非お勧めしたいです(ホームベーカリーという手もありまが)。なぜなら自家製酵母は、捏ねてたたいてという作業をがほとんどいりません。ゆっくり発酵するので、生地に十分に水分が染み込み美味しさが長持ちします。酵母はその場所で生まれるので、その環境・空気がパンの味に影響を与えます。つまり世界で一つだけの味が作れるのです。

自家製レーズン酵母を作るデメリット

自家製レーズン酵母が出来るまで、早くても1週間はかかるので、その間はパンは作れません。自家製レーズン酵母は1回で必ずしも成功するとは限らないので根気が必要です。また30℃を超える真夏の時期は酵母が死んでしまうので作れません。ドライイーストと比べて発酵に時間がかかるので、大抵1日ではパンを焼くことは出来ませんし、酵母が元気でないと上手く膨らみません。さらに1週間に1~2回空気に触れさせる手間ひまをかける必要があります。

自家製レーズン酵母の作り方

準備するもの

*熱湯可の保存瓶(700ml程の瓶)

*オイルコーティングされていないレーズン100g

*浄水300ml(私はブリタでろ過したものを使用)

*砂糖5g

*スプーン

*熱湯約1ℓ程(瓶の消毒用)

作り方

保存瓶とスプーンに熱湯を全体(瓶は内側も外側も)にかけて、保存瓶の中に入ったお湯は捨てて乾かし、人肌に冷まします。その後、保存瓶の中にレーズン100g、砂糖5gを入れ、浄水300gを入れてスプーンでかき混ぜます。その後、軽く蓋をして、陽の当たらない28℃位の暖かい所に保存瓶を置きます。

半日後、保存瓶の蓋を取って、瓶をテーブルに置いて瓶自体を弧を描くように揺らします。また軽く蓋をして陽の当たらない28℃位の場所に置きます(寒い時期は冷蔵庫の上や、炊飯器の横などに私は置いています。先述のデメリットでも記載した通り、30℃を超える真夏の時期は酵母が死んでしまうので残念ながら作るのには適していません)

陽の当たらない場所に置いてから約1週間は、1日2回の瓶ふりを続けます。2~3日で徐々にレーズンが浮いてきますが、全て上に浮くまで約1週間続けましょう。レーズンが全て浮いて発泡が落ち着き泡がほぼなくなったら、酵母が息ができるように軽く蓋をして、冷蔵庫の野菜室に入れます(この時、瓶を開けたときに発泡が勢い良く出ているようだと冷蔵庫で瓶から酵母液が漏れてしまいます)

これでレーズン酵母は完成ですが、酵母を落ち着かせるため、パン作りには翌日からの使用をお勧めします。

自家製レーズン酵母の保存方法

冷蔵庫の野菜室で保存し、4日に1回くらい蓋を開けて瓶ふりをしてあげます。酵母は常に息をしています。周りの空気・匂いを吸って育ちますので、冷蔵庫内には消臭剤を置く事をお勧めします。自家製レーズン酵母を作るメリットで先述したように、酵母は環境・空気でパンの味が変化します。本来ならば専用の冷蔵庫があるとベストなのですが、たいていの方は(私もですが)難しいと思うので、せめて消臭剤を使用し、納豆やニンニク等香りの強い物の側には置かない方がより良いです。

自家製レーズン酵母の継ぎ方

レーズン酵母に限らず、どんな酵母も出来たてが一番元気です。しかし、正しく管理してあげれば、レーズン酵母の場合、1か月保存可能です。週に1~2回程度の頻度でパンを作る場合、かなり酵母液が余ってしまいますが、後述する継ぎ方を参考に、余った液は無駄にせずに次の酵母液を作る際に継ぎ足していきましょう。一方で、1か月以内に大さじ1杯程度しかレーズン酵母液が残らないような場合についても、後述する継ぎ方を参考に継いでいきましょう。

 

準備するもの

*熱湯可の保存瓶

(1ℓ程度:余ったレーズン酵母液が150㎖以下であれば700ml程の瓶)

*余ったレーズン酵母液が入るボールとザル

*スプーン

*オイルコーティングされていないレーズン100g

*浄水300ml

*熱湯約1ℓ程(瓶等の消毒用)

継ぎ方

余ったレーズン酵母液が入る容量のボール・ザル・スプーンを熱湯消毒して冷まします。冷めたらザルを通してボールに余ったレーズン酵母を全て入れ、ザルに残ったレーズンをスプーンで押しつぶして液をボールに出しきります(ザルに残った搾りかすは捨てます)保存瓶に熱湯を全体にかけ、乾かして人肌に冷まします。冷めたらレーズン100g・浄水300mlを入れます。

レーズン100g × 浄水300ml(レーズン酵母継ぎ足し前)

漉したレーズン酵母液を全て入れて混ぜます。軽く蓋をして、陽の当たらない28℃位の暖かい所におきます(↓写真)

結構濁っていますが、古いレーズン酵母液と新しいレーズン・浄水と一緒に息をする事によって、ぐんぐんと蘇っていきます。

【6時間後】(↓写真)

 レーズンがどんどん浮いてきますので、このタイミングで蓋を開けて1度、瓶ふりをします。

【12時間後】(↓写真)

 レーズンはほぼ浮いてきます。このタイミングでもう1度、瓶ふりをします。

瓶を振ると、まだ泡が下から上に元気よく発泡しているので、もう一晩常温で置いてから、野菜室で保存を開始し、その翌日からまたパン作りに継ぎ足したレーズン酵母が使用できるようになります。

自家製レーズン酵母はどう使うのか?

出来立ての元気な酵母であれば、そのままストレートでパン作りに使用できます。その場合、レシピの水分の約30%を酵母液にします。カンパーニュやフランスパン等のハードなパンを作る時は、ポーリッシュ種(発酵種)を作ると上手く焼きあがります。ポーリッシュ種の作り方に関しては、以前掲載した自家製酵母パン レシピに載せていますので参考にしてみてください。食パン・惣菜パン・菓子パン等は中種(発酵種)を使用するとふっくら焼きあがります。。因みにベーグルはどちらでも美味しく作れます。中種のレシピに関しては、また改めて掲載したいと思います。

パンをストレート法で作る場合は仕込み始め2日で焼成し、ポーリッシュ種法の場合は仕込み始め3日で焼成、中種法の場合は仕込み始めて3~4日で焼成します。

まとめ

自家製酵母はドライイーストに比べて手間ひまがかかりますが、この世で唯一無二のパンを作ることができ、味わい深いパンが焼きあがります。面倒くさがりな私でも自家製酵母を作り続けてもう10年近くになりました。無添加で身体に良いものだけを用いて作られたパンは、心身ともに元気になれます。レーズン酵母を使用したレシピも掲載していますので、参考にしてみてくださいね。