写真酵母

Hokkaido Photography × Dear dog

加水率で変わるカンパーニュの食感・見た目について

加水率とは

加水率を知る上で知っておきたいことは、ベーカーズ・パーセントです。 ベーカーズ・パーセントは、パンの配合を見るのに役立ちます。 小麦粉の量を100%として、他の材料の小麦粉に対する割合を示します。

例えば合計300gの小麦粉を使うパンを作るのに、塩を2%入れる時の計算を例にあげると、300g×2% = 6g (300×0.02 = 6)

塩が6gという計算です。

そして加水率ですが、合計300gの小麦粉を使うパンに、水分(水・酵母液・牛乳等)を70%入れるとしたら、

300g×70% = 210g (300×0.7 = 210)

というふうに分量を出します。

カンパーニュの加水率は主に65%程です。 しかし最近は高加水パンが注目されていて、加水率多めのカンパーニュもよく売られています。

そこで今回は、リキッド・ルヴァンを使用したパン・オ・ルヴァン(カンパーニュ)を、3種類の加水率で出来上がりにどのような違いが出るのかをご紹介します。

今回使用する材料

加水率70%のパン・オ・ルヴァン                                     ベーカーズ%

元種   自家製リキッド・ルヴァン30g        10%

     浄水45g                  15%

     はるゆたか(強力粉)70g          23.3%

仕上げ種 ライ麦全粒粉30g              10%

     浄水30g                  10%  

本捏ね  はるゆたか(強力粉)170g           56.6%

     キタノカオリ全粒粉30g           10%

     浄水105g                   35%

     焼塩5g                    1.66%

     ハチミツ3g                  1%

パン・オ・ルヴァン(カンパーニュ)の作り方

元種・仕上げ種を作る

1日目 約500ml容量のタッパーに元種材料を全て入れてよく混ぜ、蓋をして28℃前後の暖かい所で6時間程置きます。

元種の入ったタッパーに仕上げ種材料を入れて混ぜ、蓋をして28℃前後の暖かい所で6時間程置き、気泡が出てふっくら発酵したら冷蔵庫で一晩休ませます。

一次発酵させる

2日目 約1ℓ容量のプラスチック製ボールに、本捏ね材料の焼塩・ハチミツ・浄水を入れます。

軽く混ぜ、粉類・仕上げ種を入れて粉気がなくなるまで混ぜます。

混ざったら、ヘラや平たいスプーンでボールの端から生地を上に持ち上げて、対角線上の端に生地を乗せます。

時計回りに6回行い、ラップ等で蓋をして28℃前後の暖かい所で30分置きます。

30分置いて生地を端から端まで持ち上げては乗せる作業を時計回りに6回行うことを、計9回行います。(加水率が80%以上であれば計10回行います)270分はここまででかかる計算になります。蓋をして28℃前後の暖かい所で4時間程一次発酵させ、生地がボールの9割ほどに発酵したら冷蔵庫で一晩休ませます。

成形して二次発酵させる

3日目 作業台を出して、約940ml容量の高さのある長方形のタッパーに、綿100%の布を乗せて上新粉を振ります。

冷蔵庫から生地を出して、上面に強力粉をまぶします。

カードで側面から一周なぞり、逆さまにして作業台に自然に落とします。

生地を底から優しく正方形に伸ばし(約25×25cm)右側3分の1を真ん中に重ね、左側3分の1をさらに真ん中に重ねます。

上から手前に持ち上げるように生地を丸めていきます。

両端をつまんで閉じます。

上下の重なり部分もしっかりとつまんで閉じ、繋ぎ目を上にしてタッパーに入れます。

上新粉を振るい、ビニール袋等に入れて30℃前後の暖かい所で2時間程二次発酵させます。

焼成   

人差し指で生地の表面を軽く押して、跡が残ってゆっくり戻ったら発酵終了です。ビニール袋ごと冷凍庫に入れます。オーブン(東芝ER-LD530使用)の下段にステンレス板、天板にタルトストーンを乗せたものを上段に入れて、給水器に水を入れてセットし、過熱水蒸気250℃で予熱を開始します。その間に銅板・クープナイフ・オーブンシート・上新粉・熱湯を準備します。冷凍庫に入れて20分以上経過して(加水率80%以上は30分以上)オープンの予熱が完了したら生地を取り出し、生地の上面にオーブンシートを被せて手のひらを乗せ、ひっくり返して銅板に乗せます。

上面に粉気がなければ強力粉を振るいます。

縦長に置き、クープナイフを1.5cm程の深さで上真ん中から下の真ん中に入れていきます。

火傷に十分に気を付けてステンレス板に銅板を乗せます。

タルトストーンに熱湯を50cc程かけて扉を閉め、過熱水蒸気250℃で5分、オーブン機能230℃で10分後上段の天板を取って、再び230℃で13分焼成します。

生地の底を指でノックして、コンコンと良い音がしたらケーキクーラー等に乗せて冷まします。

加水率80%と90%のカンパーニュの作り方

加水率70%の作り方の、本捏ね材料の浄水の量を変えます。本捏ね材料以外の加水率が35%なので、

加水率80%のカンパーニュは本捏ね時、浄水135g(45%)

加水率90%のカンパーニュは本捏ね時、浄水165g(55%)

にします。それ以外の違いは、一次発酵前の捏ねの作業を1~2回増やすことと、焼成前の冷凍庫に入れる時間を10分以上延ばすことです。

加水率による変化

先にも述べましたが、普通カンパーニュは加水率65%位です。おそらく、作りやすくて失敗しにくいからだと思います。今回はどれもその上をいく、70%・80%・90%で比較しましたが、やはり加水率70%は一番生地が扱いやすくて成形しやすく、焼き上がりの見た目も一番美味しそうに焼き上がります。

加水率70%の断面

加水率80%の断面

加水率90%の断面

80%・90%の生地は成形が少し難しく、二次発酵後型から出すとすぐに生地がだれてしまい、クープ入れが困難で、綺麗なクープを作るのはかなり難しいです。見た目にこだわるなら70%前後がオススメです。サンドイッチにするのも気泡が少ない70%前後が良いかと思います。80%は気泡が多く軽さも感じますが、弾力があって嚙み応えもあり味わい深いです。バターやチーズを乗せて焼いても良いと思います。90%は大きい気泡が多く、見るからに水分をよく含んでいます。空気と水と小麦を一緒にほうばっているようなエアリー感があります。オリーブオイルにつけたりするだけでも美味しいです。

まとめ

初めてカンパーニュを作るのであれば、まずは加水率65%で作ってみてください。やはり、美味しそうな見た目は重要です。そして徐々にに加水を増やして、自分好みのカンパーニュを作ってください。小麦粉の種類でも大きく変わりますが、加水の量でも全然違うものになります。加水を上げることで難しくはなりますが、自分好みのカンパーニュに出会えると思います。

今回使用したはるゆたか(強力粉)とキタノカオリ全粒粉をご紹介しますね。

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過去にも他のレシピを掲載していますので参考にしてみてくださいね。

www.northcruiser.com