マイナス2℃。冷たい北風が吹き付ける。北海道でマイナス2℃なんていうのは驚くことはないが、風が吹くと体感温度はグッと下がる。この作品の撮影時間は15時頃。冬の北海道は15時過ぎくらいから景色が一気にドラマティック（いわゆるマジックアワー）になってくるが、あまりの寒さでわずか5分程度の撮影が限界だった。
Lumix S1にElmar3.5cmを装着するとS1のボディが大きく、一方でレンズが小さいためフォーカスを合わせる際のフォーカスレバーの操作が少し手間取る感じ。だからと言って何か致命的なことがあるかといったら何もないし、S1はピントピークを確認できる機能がやり易くそこまで苦労を感じない。そしてLandscape photographyにおいて、このレンズならではの柔らかな奥行き感が表現ができるのは新たな境地を切り拓けた感じで嬉しい。ただスピードを求められる撮影シーンはちょっと難しいかな・・・でもElmar3.5cmは本当にいいレンズ。厳しい寒さの中でも道具自体の暖かさが感じられ、いつまでも大切に側に置いておきたくなる。そういうのってこの何でもすぐに手に入ってしまう飽和な社会において、すごく大事なことだと思う。
